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【散財】古の銘器 KENWOOD KP-1100を導入!アナログプレーヤー初心者がレコード再生に挑む。購入経緯・機器紹介編

こんにちはUSAMARUです。

みなさんご存知の通り本日8月15日は終戦の日です。今日ぐらいはということでFPS等戦争を題材をしたものは辞めております。

せっかくの休みで天気も悪く音楽漬けの一日を送っても良いのですが、以前より積んでいたアレを行いたいと思いました。

前にちらりと書いていたレコードプレーヤーの正式立ち上げです。まずはレコードプレーヤーを購入した経緯と紹介をしていきます。

 

タイトルでネタバレしていますが私生まれての初めてのアナログレコードプレーヤーKENWOOD製 KP-1100を購入しました。

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KP-1100の発売日は1985年で当時の価格は99,800円。現在は生産完了品です。

私は中古の動作品を3万ちょっとで手に入れたので約33年の時を経て約1/3で手に入れたことになります。これは安い!

いつも10万円超える物で散財しているので、少額の出費で良いものを手に入れれて満足であります。

えっ?たかが3万円?しかも30年前の物を1/3ごときの値段で手に入れて気でも振れたのかって?

俺の気は振れているがお買い得ではある!私そう思っております。

 

生まれて初めてのアナログプレーヤーを買うにあたり非常に悩まされました。一体何を買えば良いのか答えがなかなか見つからなかったからです。

アナログプレーヤー自体は数年前から興味はあったのである程度機器はチェックしていました。一番目星を付けていたのは最近復活を果たしたTechnicsSL-1200GRです。

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(参考動画 Youtubeより転載)

www.youtube.com

Technics(テクニクス)はPanasonicのオーディオブランドで2000年初頭まではDJ用アナログプレーヤーやピュアオーディオ機器で確固たる地位を築いていましたが、その後はほぼ休眠状態に入り数年前まではあまり見かけない存在となりました。

それが突如復活を宣言し、フラグシップとなるグランシリーズのスピーカーペア270万円、ステレオパワーアンプ158万円、ネットワーク機能付きプリアンプ80万円をぶち上げた時はこいつらなんて傾奇者なんだと素直に思いました。

その後アナログファン待望のプレーヤーも現代技術で復活させます。それがSL-1200GAEで限定生産300台で1台のお値段330,000円です。

それを見た時の私の感想は高さすぎじゃあああああ!!!!!!という怒りと悲しみが込められたものでした。最近いくらアナログプレーヤーの生産量が減っているとはいえ足元をみすぎだろうと。

当時発売中の高級アナログプレーヤーは金持ち向けを除けばDENON製DP-1300MKⅢでお値段180,000円。これだけでも正直高いと思っていましたが、この製品ネット上でボロカスに言われていました。今の時代に作ってくれるのは嬉しいが、昔の安い製品の方がもっと音が良かったという意見が多数見られました。

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アナログプレーヤー恐るべし・・・こんな高価なものでも昔のエントリー機に及ばないのかと思っていたところにこのSL-1200GAEの33万円です。もうこれはヤバイのではないか。これで音が悪ければ炎上どころの騒ぎではなくなるのではないのか、むしろこれを買う人がいるのかとこっちが心配になってきました。

しかし蓋を開けてみると即時完売。アナログファン鍛えられすぎやろ!という気持ちがありましたが、それだけTechnicsのアナログの音に魅せられているんだなというのが印象的でした。

一部のファンは今まで5〜6万円で売られていたSL1000番代がなぜ数倍の値段になるんだ!という指摘をしていましたが、限定生産品であることや最新技術の投入、あとは時代といわざるをえんのかと感じました。

 

SL-1200GAEの音自体は非常に好評でさすがTechnicsというものが大半です。これは本物かも!そうは思っても、初めてのアナログでやはり33万円の壁は高い(物が無いので買えないが)・・・。

そんな時に量産型のSL-1200G発売のニュースあり!お値段33万円で誰でも購入可能!

・・・ふざんけんな!さすがにこれは無いやろ!

今まで限定生産品とかでしかたないかな、と思っていましたが量産でこれはいかんでしょ。いくら受注生産だからといっても、いくら品質を守るためといっても、もう少しコストを下げて新規ユーザーの間口を広げて欲しかった。この時点でSL-1200への興味は失われました。

その後いろいろなメーカー(一般人向け)の新規製品や発売中の製品を見ましたが買いたいと思うものは皆無。安いですが製品も安かろう悪かろう感が高く、全く手を伸ばそうと思えません。ハイレゾに絡めたものも多くそんな物は正直求めていない。1万円を切るプレーヤーも発売されていましたが、言葉は悪いですが悪ふざけとしか思えませんでした。

 

アナログプレーヤー自体の興味も薄れてきた時に、TechnicsからSL-1200Gの廉価版発売のニュースが発表されました。

それが冒頭のSL-1200GRです。お値段は157,800円で、一文字違いだけでSL-1200Gの半額以下です。見た目もほぼ変わらず、音質もできる限りGに近づけた形で各パーツのコストダウンをしたとの事でした。

これには私も非常に惹かれるものがありました。かなり現実的な値段(それでも高いかも)になった上に音質も1200Gに近づいている、まさに旧来のユーザーに加え新規ユーザーにも手が届きそうなものとなり私が求めていた製品でした。

あとは買うだけという状態でしたが、仕事や他にもやりたいことがあったのでタイミングが合わず、なかなか購入に至らずとなっていました。

そんな折にTechnicsから遂にフラグシップモデルとなるシステム一体型SL-1000R 、DDターンテーブルのみのSP-10Rが発売されます。SL-1000Rが1,600,000円、SP-10Rが800,000円と弩級で私のような軟弱者が買える代物ではありませんでした。

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(参考動画 Youtubeより転載)

www.youtube.com

 

Technicsってどこまで傾き続けるんだと思っていたところ、このSL-1000R、SP-10Rに関してオーディオ評論家の麻倉怜士先生によるTechnicsブランド代表者に対してのインタビューが掲載されていました。

麻倉怜士さんはAV(オーディオ・ヴィジュアル)雑誌Hi-Viのベストバイ選考委員長を務める業界の大御所で、思ったことをすぐ言うタイプで相手が誰であれ、金を貰ってメーカー商品の解説をする時であれ麻倉節と言われる強烈な発言で悪いものは悪いと発言する人物です。

ただ、映像や音で良いところや卓越しているところがあれば高かろうが安かろうがオカルトチックであろうが正直に褒めます。そこが私は結構好きで商品の好みも似ているので信頼している評論家の一人です。(先生!ちょっとこれはねーだろ!というのが一点ありましたがそれは別の機会に)

そんな麻倉先生のインタビュー記事で気になるというか麻倉節が垣間見えるところがありました。 SL-1200GシリーズはどちらかというとCDに似た音だったがSL-1000R、SP-10Rは旧来のアナログプレーヤー的な音になるのかという発言でした。

これには2つの意味で度肝を抜かされ、まずアナログプレーヤーがCDの音に似ているという一番言われたく無いであろうことをブランド代表者に直接言い放っている所と、現代のアナログプレーヤーはCDライクであるという事実です。

 麻倉先生さすがに言い過ぎ!というのはまあ麻倉先生だしなぁということでそれは良しとしましたが、SL−1200GRがCDと同じ傾向というのは非常に困った事態となりました。私がアナログプレーヤーに求めているのはCD的な音では無く、レコード特有の高品位なアナログ的音質だからです。まあ、アナログレコードの音などまともに聴いた事無かったので、CDと同じは困るというのが一番ですが。

 

一番重要な音質を完全に見落としておりそれに気付かされました。当然と言えばそうかもしれませんが、メーカー側も現代のニーズに合わせてアナログプレーヤーを発売してきます。

CDは1988年にアナログのシェアを抜いています。逆に言うとその近辺で音楽を聴いていた世代はアナログを捨てたということになります。そのような世代は恐らく40代中盤以上の方々かと思いますが、そのような世代に訴える形で発売しても過去の記憶から買う人は少なく、なかなか販売は伸びない事は想像につきます。

これは私の体験からもくることで、私の場合はカセットテープになります。30代中盤までは恐らく日常でカセットテープに触れた最後の世代ではないでしょうか。

私は家にMDが登場するまでCDをレンタルしてカセットテープで録音していました。確か中学時代2年ぐらいまでだったと思いますが、CDを買う金など無く、親に頼み込んでCDを近くのレンタルショップから借りてカセットにダビングし聴くというスタイルでした。

CDは良いのですが問題はカセットテープで聴く時で、まぁこれの音が悪いのなんの。しかも早送り、巻戻ししかできない。激安のカセットデッキというのは分かっていましたが、CDとの信じられないくらいの音質差と機能差に子供ながらもやもやする日々でした。

そんな中、aiwaの激安MDデッキを買ってもらいMD(Mini Disc)というものを体験しました。CDに迫るというかほぼ同じ音質に、ダビングでも曲選択、曲ごとの進み、戻るができるというCDと同じ使い勝手。もうカセットテープに戻ることなどできませんでした。

そんな世代ですから、昨今のカセットテープブームでもまったく興味がおきませんでした。過去の記憶が完全にカセットテープというものを拒絶しています。私の家にNakamichi製Dragonというカセットデッキがあったら印象は大幅に変わったのでしょうが、そんな物普通の家庭にあるはずがありません。 

そんな事をメーカーも経験しているでしょうから、いくらアナログが原理的に一番音質が良くなるというのは分かっていてもCDに近づけざるを得ないでしょう。

 

こうなってくるとSL-1200GRを含む最新のアナログプレーヤーは一時お預けとするしかありません。正直今でもこのSL-1200シリーズプレーヤーへの未練は断ち切れていませんが、古く壊れやすいというアナログの最大の弱点はありますが旧来の物はエントリー機でも高級機並の性能を誇るということで、昔の銘器を安く手に入れ当時の音質を楽しむということで自分を納得させました。いわば修行です。

そこで、アナログプレーヤーの候補はCDに追い抜かれた1988年近くのものになります。なぜそのあたりかというと、あまりにも古すぎるとやはり故障が気になるというのと、産業というものは新カテゴリーの脅威が出現すると負けじと高性能な物がボコボコ誕生するといのを知っているからです。

ガラケーもそうでしたが現代でいうとCDプレーヤーがまさにそうで、デジタルダウンロード、デジタルストリーミングというノーフィジカル(現物が無い)な音源の出現で脅威にさらされ、非常に性能の高いCDプレーヤーが各社から発売されています。

現在、史上最高レベルのCDプレーヤーがボコボコ誕生していますが最後の悪あがきともいえます。もはやCDですら過去の産物と世間ではなりかけていますが、まだまだ日本では根強い人気ですし、アーティスト側もハイレゾブームからCD音源への回帰が発生している状態なので、アナログのように捨てられるのではなくまだまだ戦えると自分は感じています。みんな!CDも聴こう!

そんな期待をアナログプレーヤーにも込めて1988年付近に狙いを絞って探索を開始しました。

 

まず気になったのがCEC製ST930です。

(参考動画 Youtubeより転載)

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CDがもはや一般となりつつある1989年発売のモデルで当時のお値段135,000円です。評価も高く2000年まで発売されたようです。

CECといえばベルトドライブ式のCDプレーヤーとして現在は有名で、通常CDをダイレクトドライブモーターで回す所をベルトドライブで回しモーターの挙動によるノイズを処理回路から排して、CD音源をアナログ音源に変えるような音質を実現しているのが魅力となります。

私もこのベルトドライブ式CDプレーヤーには大いに注目しており、同社のTL3 3.0という最新のCDトランスポート(DACが無く送り出しのみ)を導入してSA-10のDACで再生するというのを目論んでいる所でした。

それがアナログプレーヤーなら話は早い!CECは元々アナログプレーヤーのOEMで生き残ってきた会社なので技術力も折り紙つき。S字アームというのが正直いいのか悪いのか分かりませんがCECが導入したのならきっと良いのでしょう。現在購入しても単体で数万円程するようです。

ST930に絞っていろいろと物色しましたが値段が高い!当時で13万円の物が現在でも12万円ぐらいします。少し前は7万円ぐらいで買えたようですが、アナログブームの影響か現在は当時と変わらない値段で取引されています。

こうなってくると正直買う気は失せてきます。CECの音はベルトドライブ式CDトランスポートで楽しむことにします(機器買えたら)。

 

次に候補に挙がったのがYAMAHA製GT-2000です。

(参考動画 Youtubeより転載)

www.youtube.com

CDが生産開始された1982年発売のモデルで当時のお値段138,000円。これも評価が高く販売台数が多かったのか中古市場に多く出回っていました。見た目も格好良く、天下のヤマハ製というのもポイントアップです。

これ以外にはGT-1000という弟モデルもあったのですが、GT-2000の方が少し値段は高いがそれを超えるぐらい機械的信頼性と性能が高いとのことなのでGT-2000に狙いを定めました。

GT-2000は本体以外にもガンメタルターンテーブルやアンカーブロック等の男心くすぐるオプションが多数あり、それらを追加で収集して音質アップをするという楽しみもありそうです。

ただ、弾はあるが値段が高い!定価を超えてんじゃねえ!物が少し悪ければ10万円ぐらいで買えますが、動作品は当時の定価を超えていきます。

中古でこんなに高いのは私の中で購入する許容に入らないのでこちらも諦めました。

 

おいおいどうなってんだアナログプレーヤーの中古市場は?

評価が高い物は良くて1/2の価格、のけなみ定価に近づく値段となります。

数十年前の物が当時の値段になるということは、もう骨董品とか古物の世界です。いくら物が良くても収集趣味の世界になってるのか?

こんなものならCDに音近づいても最新のアナログプレーヤーを買ったほうがマシではないのか。そう思いながら未練がましくGT-2000の情報を集めていた所、GT-2000に現在の値段で13万円払うなんてもったいない、GT-2000の単体性能で考えるならKP-1100を買ったほうが良いという情報を得ました。GT-2000にオプションを付けるとさすがに劣るようですが。

ここでやっとKP-1100という単語が出てきます。長えよ!!

 

 KP-1100という単語を頼り検索しましたがケンウッドのアナログプレーヤーでした。

(参考動画 Youtubeより転載)

www.youtube.com

KENWOOD製KP-1100は1985年製で当時のお値段99,800円です。トーンアームがどうやら良いらしく、これがGT-2000を超えると主張していた根拠でした。

かつてはオーディオ御三家と言われた山水、トリオ(ケンウッド)、パイオニアの一角ですから当時の製品としては凄かったと思いますが、今のケンウッドを見るとウ~ン大丈夫かなぁ?と思っちゃう。だって今2018年なんだもん!

ただ、その杞憂を超える機構がKP-1100には内蔵されていました。ユニファイド・ダイキャストフレームと呼ばれるX形状の高剛性フレームにモーター、ターンテーブル、トーアームが一体型で取り付けられており振動対策が施されていること。

そして一番の注目ポイントはアナログプレーヤーの筐体部を外して(破壊して)ケルトン化できるというところでした。スケルトン化されたKP-1100の画像がネットに多数挙がっていますが、これにロマンを感じない男がいるだろうか

音質にまったく関係無いですし、むしろ悪化しそうな気もしますが漆黒のアナログレコードとメカメカしいユニファイド・ダイキャストフレームの共演。涎がでそうだぜぇ・・・。

音質と男のロマンが詰まり、しかもアナログ市場では異例となる高評価のプレーヤーが1/3の価格で手に入るという相場。

買うしかねえ!良さげな個体を見つけ手を震わせながらポチッといきました。値段というか未知の領域への挑戦に震えが来た感じです。震えた事自体ウソですが(テヘ)

いろいろありましたが、遂にUSAMARU史上初となるアナログプレーヤーKP-1100を手に入れました。

ただ、スケルトン化はさすがにハードルが高いので、新しいアナログプレーヤーをかってお役御免の時にできればいいかなと思います。スケルトン化しても使い続けるとは思いますが。

 

というわけでKP-1100が届きました。

発送してくた人が非常に丁寧な説明をしてくれたので安心して取り出せました。発送してくれた人、サンキュー!!

現物を見るとさすがに年季が入っています。使用感は半端ではありません。ただ、最初の第一歩ということでいろいろやらかすでしょうから、これぐらいがいいかもしれません。

せっかくなので開封時の写真を撮っておきました。

 

カバー付きでしたがかなり使用感あります。

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本体お目見え。使用感があるー。古いですね。

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とりあえずポン置き。謎の部品も同梱されいました。

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ダイレクトドライブ部。色々書いているが英語でよく分かりません。

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足元部。結構しっかりしている印象。

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トーンアーム部。カートリッジは針が折れているので使用不可とのこと。

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スイッチ部。記事最初の写真と同じです。本体左側に回転数変更のスイッチもあります。

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プレーヤーの下に梱包されていたターンテーブルとカバー。回転部がこんな構造になっていたとは・・・。

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合体した所。記事最初の写真。

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 色々片付けて機器配置替えし、とりあえず設置できてホッとしました。

ここまでの経緯で若干やりきった感があり、しばらくこのまま眠らせてしまいます。

そして遂に立ち上げる時が・・・なんて仰々しい感じではないですが次回セッティング・再生確認編です。

アップされたらそれも見てくれよな!(ガン見)

 

今回はこんな感じです。

 

次↓

 

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